【雑記】糖質制限に関するまとめ
【雑記】糖質制限に関するまとめ
最近人気のロカボ。コンビニでもロカボ商品が溢れ、糖質〇〇%カットと記載するお菓子や食べ物が多く出ています。
我が家では、パンやピザなど、小麦粉を多量に使用する料理を頻繁にする他、元々、料理の味付けも甘めが好みなので、結構糖質を摂ってしまっていました。
糖尿病の家系でもあり、それらを反省しつつ、見つけた本が以下の二冊。
これを読んで糖質制限の大切さを感じ、開始しました。
ただし、途中で飽きてしまうと、その反動でたくさん食べてしまわないか怖いですね。
世の中には、できるだけ我慢せずに糖質制限を継続するためのアイテムがいくつも用意されいます。今回はそれらを調べた結果を紹介します。
糖質制限開始のきっかけの本
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↑糖質制限の黎明期の本です。内容はかなり過激気味で、糖質制限にかなり傾倒しています。糖質制限の極地として参考にするくらいが良いかも。
著者が産科医であるので、妊娠糖尿病に関する体験談が豊富です。胎児のためとは言え、なかなかパワフルな妊婦の方々が登場します。
一部、著者の愚痴も含まれる。。。
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↑「ロカボ」を推進している、食・楽・健康協会の理事長山田悟氏の著書です。
内容はややマイルド。「ケトン体が人類を救う」よりも後に書かれた本で、現実的な糖質制限について記載があります。実践的な糖質制限も紹介されており、実際に取り入れやすいものが多いです。
著者は内科医。データを示しながら紹介されているため、納得のいく内容です。
記事投稿時点で、両方ともオーディオブックで聴き放題のライブラリーに入っています。
内容を確認するぐらいであれば、何かをしながら耳で聞くのも時間効率が良く、おすすめです。月額750円と上記の書籍を一冊買うよりも安価です。
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【記事の内容】
・糖質制限と普段の食事の中の糖質
→一食当たりの糖質
→糖質制限
→食物繊維の摂取について
・注意したい果糖
→果糖は中性脂肪になりやすい
→ブドウ糖よりも依存性が高い
→ブドウ糖よりも糖化しやすい
・糖質制限の課題
・まとめ
・参考にした情報源
【糖質制限と普段の食事の中の糖質】
そもそも糖質とは、炭水化物の中の成分の一つです。炭水化物は糖質として利用できる分と利用できない「食物繊維」に分けることができ、これらの合算量となります。
文部科学省が発行している「日本食品標準成分表」では、「糖質」の項目はありませんが、食物繊維の量を炭水化物から差し引くことで求めることができます。
・一食当たりの糖質
平均的な日本人の一日あたりの糖質摂取量は270-300g程度と言われており、一食あたり、90-100g程度です。
ご飯一膳のご飯の量が150g(ふっくらと盛った場合)であり、食・楽・健康協会のHPに掲載されている食品別の糖質リストから計算すると、糖質量は55gとなります。
糖質100gを換算した場合は下記の通りです。
チェーン店で提供されている量で考えてみます。
ご飯系
・吉野家牛丼並盛り=250g(糖質:92g)
・CoCo壱通常盛り=300g(糖質:110.4g)
パン系
・マクドナルドハンバーガー=糖質:28.8g(公式HPより)
・サブウェイBLT=糖質:39g(公式HPより)
うどん系
・丸亀製麺一玉=245g(推算値、糖質:50.96g)
パスタ系
・ジョリーパスタ=乾麺120g(糖質:83.4g)
特に主食が内容のメインとなってしまうご飯系の外食をしてしまうと、ほぼ糖質100gに達してしまう計算となります。
もちろん、おかずにも糖質は含まれてしまうため、毎食しっかりご飯を食べてしまうと、平均以上の糖質を摂取していることになってしまいます。
・糖質制限
食・楽・健康協会の提唱している糖質制限「ロカボ」は、糖質を70-130g/日に抑えることを基準としています。
糖を好む脳とブドウ糖しかエネルギー源にできない赤血球の一日に必要な糖質の量が130gとなりこれが基準となっているようです。
(脳は脂肪から代謝されるケトン体も利用できるので、実質的にはもっと少ない)
一食当たり糖質20-40gとして、間食に10g摂取することを基準としていますので、
これをクリアしようとすると、主食の選び方を必然的に見直す必要が出てきます。
主食の食べる量を少なくして、お肉や魚などのタンパク質や野菜をその分増やすことで、お腹を満たすことが推奨されており、その際には油などによるカロリーは気にしなくても良いという考え方ので、人によっては無理なく続けられるかも知れません。
もちろん毎食制限しないで、朝食や昼食の1食だけ主食を食べて、他は主食なしでという作戦もあります。
一方で間食は特に注意が必要で、糖質10gしか枠がないため、甘いものや菓子パン類などはほとんど食べることができないことになってしまいます。
個人的には、休肝日のように一週間くらいの単位で帳尻を合わせれば良いとも思いますが、食生活の改善は習慣化がキモなので、やはりスイーツやパンなども低糖質なもので楽しくロカボ生活を過ごしたいものです。
GI値を気にして玄米食を検討する場合もありますが、糖質の観点からは玄米と精製した白米ではほとんど違いがありません。これはどういうことなのでしょうか。
GI値(Glycemic index)とは、糖質の吸収度の違いを示したものす。(大塚製薬HPより)
厳密には、摂取後2時間までの血中の糖濃度がブドウ糖摂取した時を100として、これを基準に算出される値です。この時の糖濃度とはブドウ糖の濃度です。他の糖質は含みません。
糖質が豊富に含んだものであっても、食物繊維を多く含む食材の場合は、ブドウ糖そのものを摂取した時よりも血糖値が上昇が緩やかとなることでGI値が低めに算出されるわけです。
血糖値の上昇を抑えることはインスリンの過剰分泌を抑えることに貢献しますので、糖尿病予防には大切であることは変わりません。
低GI食品を取り入れることは意味はあると思いますが、糖質制限はあくまで糖質全体の摂取量を制限することを目的としており、GI値は考慮しません。
つまり、白米から玄米に変えたからと言って、GI値は低くなっても糖質制限の観点からはほとんど違いがないということです。
また、GI値に注意が必要なのは、GI値は血糖値=ブドウ糖を基準としている点です。
果物や蜂蜜に含まれる果糖(フルクトース)は考慮されないため(血糖値を上げない)、果物や蜂蜜は低GI食品に位置付けあれていますが、糖質の観点ではこれらは高糖質な食品となります。
・食物繊維の摂取について
前述の通り、炭水化物は糖質と食物繊維に2分されます。
食物繊維は、レタス何個分と言った記載で表現される通り、野菜に多く含まれているイメージがありますが、実際の摂取量を考えた時に主食の存在は見逃せません。
情報が少し古いですが、1999年に日本食物繊維研究誌における食材別ランキングでは、白米と食パンが1位と2位を占めています。(日経Gooday記事参照、原著はpdfで論文をダウンロード)
もう少し新しい情報では、平成26年に行われている厚生労働省の検討会で提出されている資料が参考になります。(日本人の長寿を支える「健康な食事」のありかたに関する検討会資料3)
この資料によると、食物繊維の摂取構成比として、最も高いのは野菜類37.3%となっていますが、2位は穀類21.1%です。穀物はつまり主食に当たる部分ですので、全体の約20%程度をご飯やパンなどから摂取していることになります。
また、現状の食物繊維摂取量は目標量の約75%程度に留まっており、健康上、より多くの食物繊維の摂取が望まれています。(摂取基準:男性21g、女性18g)
食物繊維は、よく知られている通り便秘予防などの整腸効果、血糖値上昇の抑制、血中コレステロール濃度の低下などの効果があります。
また最近では食物繊維を餌とする腸内細菌がビタミンなどの微量栄養素を合成し、その恩恵を受けていると言った報告もあり、食物繊維は積極的に摂取したい栄養素の一つとして注目されるようになりました。
糖質制限の課題として、炭水化物の摂取量が減少することで食物繊維摂取量が現状よりもさらに減ることで、便秘に悩まされる人もいるようです。
特に高タンパク食を取り入れる場合、主食が減った分はお肉や魚などでカロリーを補おうとするため、必然的に食物繊維不足となります。
主食を減らし、あとは好きなだけ食べて良いというスタンスのロカボでも同様の症状は起こり得ますので、主食が減った分に野菜を意識的に取り入れる姿勢が大切です。
一方で、小麦粉を大豆粉にするなど、主食を別の低糖質な食材で代替する場合、糖質が少ない分、食物繊維量が多くなるため、主食を単に減らすだけでなく低糖質な食材への代替を検討することも有効です。また、間食のお菓子をナッツ類に変更するのもおすすめです。
このような食材に関しては、次回の記事で紹介していこうと思います。
【注意したい果糖】
果糖(フルクトース)は、果物や蜂蜜などに多く含まれており、インスリン分泌のトリガーである血糖値には関与しません。と言うよりも血糖値の定義が血液中の「ブドウ糖」濃度であるため、意図的に除外されているだけです。
低GIな食品として果物や蜂蜜が挙げられ、血糖値制御のために果糖の積極的摂取を推奨する人もいるようですが、果糖の摂取には注意が必要です。
・果糖は中性脂肪になりやすい
一見、血糖値も上げず、インスリン分泌を促進しない果糖は優秀な甘味料のように映ります。しかし、肝臓に運ばれた果糖は代謝によって中性脂肪に変換されやすいと言われます。
その結果、内臓脂肪の増加と脂肪肝の誘発が危険視されています。
今回、参照している「糖質制限の真実」でも、果糖を日頃から摂取しているグループの方がブドウ糖摂取後の血糖値上昇を招く調査結果が紹介されています。
果糖の習慣摂取によって招いた脂肪肝状態がインスリン分泌の働きを弱めることが要因とされています。
・ブドウ糖よりも依存性が高い
また、同書には、依存性の高さについての記述もされています。
脳は糖質を摂取した際にドーパミンを分泌し、報酬系を刺激します。甘いものを食べた際の幸福感はここからきています。
果糖はブドウ糖よりもこの報酬系への刺激が大きいと言われ、ブドウ糖よりも依存性が高いとされているようです。
また、果糖はブドウ糖よりも満腹中枢への刺激が弱いため、いくら食べても満腹になりにくいという特徴もあります。習慣的な報酬系の刺激による依存性と満腹感を得られにくい特徴から、食べ過ぎる危険性が高くなります。
特に注意が必要なのが、清涼飲料水に含まれる果糖ブドウ糖液糖です。
コーンシロップともよばれ、果糖を50%以上含んだ異性化糖です。果糖の特徴であるスッキリした甘みを利用して、清涼飲料水に多用されますが、飲み物では摂取する時間が短時間となり、また多量に摂取しやすいため、多量摂取の要因となります。
・ブドウ糖より糖化しやすい。
果糖はブドウ糖よりもタンパク質への結合しやすさは理論上100倍と言われています。
タンパク質と糖が結びついた物質をAGEs(終末糖化産物)と言われ、最近話題の糖化という反応です。このAGEsが血管内壁の細胞を劣化させたり、お肌の老化などに関わるようです。
低GI値だからだと言って、ブドウ糖を果糖に置き換えることはあまりいい手法とは言えません。
【まとめ】
糖質制限に関する書籍を中心に糖質に関して調べてきたことを紹介しました。
下記に記載事項をまとめます。
・日本人の平均的な糖質摂取量は270〜300g
・糖質制限はこれを70g〜130gとすること。
・糖質制限を実施するためには主食をいつもの半分以下に。
その分お肉・魚・野菜をたっぷり食べる。
・低GI食品の罠:果糖の取り過ぎには注意。
低糖質な代替食品である小麦ふすま、大豆粉、小麦グルテン、エリスリトールについても記載しようと考えていましたが、記事の内容が多くなってしまったため、次回へと分割します。
食・楽・健康協会が仕掛けた「ロカボ」。ここ10年程で日本の栄養学が大きく変わってきています。色々な情報がネットで溢れている中でこの記事が何かのお役に立てればと思います。
【参考にした情報源】
・ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書) [ 宗田哲男 ]
・糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて (幻冬舎新書) [ 山田悟 ]
・サブウェイ栄養一覧https://www.subway.co.jp/menu/pdf/eiyo.pdf
・マクドナルド栄養一覧栄養成分 一覧表 | メニュー情報 | 私たちの責任 | McDonald's Japan
・日本人の長寿を支える「健康な食事」のありかたに関する検討会資料3
・食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
・日本人の食物繊維の摂取源のトップは? (2ページ目):Goodayクイズ:日経Gooday(グッデイ)
・日本食物繊維学会誌:長期食生活調査における食物繊維摂取量の算定
・実は危険、肥満を招く「果糖」 ジュースに気をつけて|NIKKEI STYLE
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